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カトリック入門

第152回 教会は一つである【動画で学ぶ】※レジュメ字幕付き

序)「使徒信条」の中で「教会は一、聖、公(普遍)、使徒継承」と宣言いたします。相互に不可分なこの四つの特質は、教会とその使命の本質的特徴です。教会はこれらを自ら得たのではなく、聖霊を通して、ご自分の教会を一、聖、公(普遍)、使徒継承の教会となさったのはキリストであり、またキリストが、この四つの特質の各々を実現するように教会を促しています。
 四つの中でも、今日は「一」について考えてみたいと思います。

1 教会は一つ
*教会は、その源からして一つ。
 「この神秘の最高の源泉は三つの位格(ペルソナ)における唯一の神の単一性、『父と・子と・聖霊において』の単一性」。教会は、その創立者からして一つ。「受肉された子は平和の君であり、自ら十字架によってすべての人を神に和解させ、一つの民、一つのからだのうちにすべての人の一致を再建した」からです。教会は、その「魂」からして一つです。「信じる者の中に住み、全教会を満たし治めておられる聖霊は、信者の感嘆すべき交わりを実現し、すべての人をキリストにおいて固く結び合わせて、教会の一致の源泉となっています。」したがって、一つであるということは、教会の本質そのものに属することです。

2 多様性の教会
*一つである教会は、最初からかなりの多様性を表しています。それは神のたまものが多種多様であり、これをいただく人々が多数であることに由来します。さまざまな民族と文化とが神の民の一致の中に集められ、教会の信者の間には、多様なたまもの、任務、境遇、生活様式が見られます。
*「教会という共同体の中にも、独自の伝統を保つ諸部分教会が合法的に存在します。」このように多種多彩な様相は、教会が一つであるということに反するものではありません。しかし、罪とその重い結果とが、一致のたまものを絶えず損なおうとしています。使徒パウロは「平和の絆に結ばれて、霊による一致を保つように努めなさい」(エフェ4・3)と励ましています。

3 一致の絆とは
*一致の絆は、何よりも「すべてを完成させる絆である」(エフェソ3・14)愛にほかなりません。旅する教会の一致は、共通の見える絆によっても保証されます。
  ①使徒伝来の唯一の信仰宣言によって
  ②神への礼拝、特に秘跡によって
  ③神の家族の兄弟的和合を維持する、叙階の秘跡による使徒継承によって

4 損なわれた一致
*「神のこの単一性の教会の中に、初期のころから、ある分裂が起こりました。それを断罪すべきものとして使徒は激しく非難しています。後代になってもっと重大な不一致が起こり」ました。キリストのからだの一致を損なう決裂(異端、背教、離教など)は、人間の罪なしには起こらないことです。

5 一致に向かって
*一致は「キリストがご自分の教会に当初から与えられたものであり、わたしたちはそれが失われることのできないものとしてカトリック教会の中に存在していることを信じ、世の終わりまでそれが日々成長していくことを希望しています」。キリストはご自分の教会につねに一致のたまものをお与えになりますが、教会は、キリストが教会のために望まれる一致を維持し、強化し、完全にするため、絶えず祈り、努力しなければなりません。すべてのキリスト者の一致を回復するとの望みは、キリストのたまもの、聖霊の呼びかけです。

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