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カトリック入門

「カトリック入門」 第53回 聖ベネディクト【動画で学ぶ】

 聖ベネディクトは「ベネディクト会」の創立者で、ヨーロッパの保護の聖人。有名なのは、ベネディクト会の会則で、「祈りかつ働け」とあるように、修道生活の基本を作った。ベネディクトは、480年にイタリア中部のウンブリアのヌルシアに生まれた。

 若い時にローマへ行き、勉強をした。文学、修辞学、哲学、法律を学んだ。
 527年の20歳の頃、スビアコの洞窟で隠修士の生活を始めた。これはエジプトの砂漠で独居生活をした隠遁修道士たちによって考案されたものだった。彼の厳しい生活を模倣するために多くの青少年が集まってきた。そこで12の家屋を建て、一軒に12ずつ住まわせた。共住生活の規則を作っていった。
 しかし、弟子の数も増えてきて529年、ベネディクトは忠実な修道士のグループを連れて、ローマの南にあるモンテ・カッシーノへ移った。そこにはアポロの神殿が建っていたので、それを壊して、その跡地に修道院を建てた。それは教会でも有名は修道院となった。それまでは、独居の隠遁を中心として修行の生活であったが、共同の修道院生活に変え、極端な禁欲の代わりに、労働と祈りを基本にした会則を制定し、修道院制度の基盤を築いていった。
 やがて、ベネディクトの姿に魅力を感じて集まってきた多くの修道士たちのために、彼は修道生活の規則を書き、これは後世まで修道生活の基本となり、会則ともなった。この会則は、他の諸修道院の起源、規範ともなっている。とても明快で、人々の心理にぴったりということで、今日に至るまで、その価値を失っていない。

 (例)
  「怠惰は霊魂の敵である」
  「謙遜の第一段階は、ぐずぐずしないで、すぐに従うことである」
  「祈りかつ働け」

 修道院に付属して、宿泊所、書庫、作業場、病室などを増設し、自給自足の完全な共同生活を始めた。修道士たちはベネディクト院長のもとに、ミサを中心にして集まり、「共に住み、祈り、働く」をモッテーに、山野を開拓して生活し始めた。
 ベネディクトはまた、妹の聖スコラスチカや同志の働きで、8キロ離れたポンビアローラに女子修道院を設立し、ベネディクトの会則に従って指導した。それぞれの修道院は独立し、経済的にも自立している。
 修道者はみな、修道院内で生活し、キリストを生活の中心とし、キリストに従い、キリストの似姿になるために、キリストのように祈り、キリストのように働き、お客さんへのもてなしをする。
 547年、67歳で熱病に倒れて、息を引き取った。
 ベネディクト会は世界各地に修道院を持っている。ローマ市内では聖マリア大聖堂、城壁外の聖パウロ大聖堂はベネディクト会が管理している。
 またいくつかの独立したものとして、厳律シトー会(トラピスト)、十字架のイエス・ベネディクト修道会などがある。いずれも観想生活を送っている。

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