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キリスト教知恵袋

聖人たちの祝日について

 カトリック教会においては、「キリストの神秘を一年の周期をもって祝う際、幸いな神の母マリアを特別の愛をもって敬い、また信者の信心のために、殉教者やその他の聖人を追憶する」(『典礼暦年と典礼暦に関する一般原則』8)のですが、これらの殉教者や聖人のお祝い日の決め方は、古代教会からの慣習に基づいています。

 古代教会のキリスト者たちは、殉教者や聖人の殉教の日あるいは逝去の日を、天国における彼らの「誕生日」(ラテン語でナタリーチア)と呼んで、殉教者や聖人が神のみもとに召され、キリストとともに栄光のうちにあることを確信していました。また、これらの日に、その墓地に集まって感謝の祭儀(ミサ)を行ない、彼らの信仰の模範を偲びながら、その取り次ぎを願って神に祈るようになりました。殉教者や聖人のお祝い日は、一般的には、このような古代教会からの慣習に基づき、その殉教の日あるいは逝去の日が選ばれるようになっています。例えば、日本26聖人殉教者は、長崎の西坂の丘で1597年2月5日に処刑されて殉教したのですが、この2月5日が彼らの祝日に選ばれています。ただし殉教の日あるいは逝去の日が、典礼暦の上で、すでに定められている他の祝日と重なるような場合には、例外的にそれに近い日か、または聖人の生涯の出来事に関連がある他の日が選ばれることもあります。そして、キリストの生涯との関連が深い、聖母マリア(9月8日)、洗礼者聖ヨハネ(6月24日)については、キリストと同じように(12月25日)、この地上における誕生を祝う日も設けられています。

 またこれらの聖人の中で、例えば、聖フランシスコ・ザビエルや幼いイエスの聖テレジアは「宣教の保護者」、ルカは「医者の保護者」であるというように、ある聖人が特別に何かの守護(保護)の聖人とされている場合があります。それは、特別な目的のために、その聖人を模範としながら、取り次ぎを願うため、列聖式のときに公的に宣言される場合もありますが、一般的な信心から(伝統的に)、その聖人の生涯(功績)に関連して、何かの守護(保護)の聖人として仰がれている場合もあります。

回答者=白浜満司教

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