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カトリック入門

第252回 第七の掟「盗んではならない」【動画で学ぶ】

(序)第七の掟は、他人の財貨を不当に取ったり所有したりすること、また他人の財貨に何らかの形で損害を与えることを禁じています。この世の財貨や人間の労働の実りを正義と愛の心をもって管理するように命じており、財貨の普遍的使用目的や私的所有権を共通善という観点から尊重するよう求めています。キリスト者は生活の中で、この世の財貨を神のために、また兄弟愛のために用いるように努めます。

1 財貨の普遍的使用目的と私的所有
*初めに、神は地とその産物とを人類の共同の管理に委ね、人類がそれに手を加え、労働によって支配し、その実りを得るように、はからわれました。創造されたものは全人類のためのものです。けれども、土地は人々に分配されました。それは、欠乏や暴力の危険にさらされる生活の安全を保証するためです。財貨を私有することは、人間の尊厳と自由とを保証し、それぞれが自分自身にとって基本的に必要なものや自分が扶養する人々にとって必要なものを賄えるようにするためには、正当なことです。それは、人々の間にある本来の連帯性を表すためにゆるされるべきことです。
*正しい方法で取得したり受け取ったりした財貨の私的所有権は、地が初めから人類全体に与えられたものであるということと矛盾するものではありません。たとえ共通善の促進という目的のために私有財産やその権利、ならびにその行使の尊重が求められているとしても、常に第一に優先されなければならないのは、財貨の普遍的使用目的だからです。
*「人間は財の使用に際して、自分が正当に所有している物件を自分のものとしてばかりでなく共同のものとしても考えなければなりません。すなわち、物件は自分のためばかりではなく、他人のためにも役立つようにという意味においてです」。ある財貨を所有するということは、その所有者が神の利益を他の人々と、まず第一に隣人と分かち合うべきなのです。
*政治をつかさどる者は、所有権の正しい行使と共通善のために規制する権利や義務を持っています。

2 人間の尊厳とその財貨の尊重
*経済的なことがらに関しては、人間の品位を尊重するために、徳の実践が必要です。この世の財貨への執着を抑制するには節制の徳の、他の人の権利を守り、その人に当然帰すべきものを帰すためには正義の徳の黄金律に従い、また、豊かな方であられたのに、ご自分の貧しさによって私たちを豊かにしてくださるために、私たちのために貧しい者となられたキリストの惜しみない心に従うには、連帯の徳の実践が必要になります。
*第七の掟は、盗み、すなわち所有者の道理にかなった意志に反して他人の財貨を横領することを禁じます。所有者の同意が予測されるか、所有者の拒否が道理にも財貨の普遍的使用目的にも反しているような場合には、盗みとはなりません。この原理が適用されるのは、緊急に必要となっている最低限のもの(食料、住居、衣類など)を取得する手段が他人の財貨を手に入れて使用する以外にはないという、緊急で明白な必要性に迫られているような場合です。
*他人の財貨を不正に取ったり所有したりするのは、たとえ民法の規定には反していなくても、すべて第七の掟に反する行為です。例えば、借用物や遺失物を故意に返さないこと、商売でごまかすこと、不当な賃金を支払うこと、他人の無知あるいは窮状に乗じて物価を上げることなどです。
*約束は守られるべきです。契約は、なされた誓約が道徳的に正当である限り厳密に守られなければなりません。経済生活や社会生活のかなりの部分は、個人や法人間で結ばれた契約、例えば、売買の取引契約、小作契約、労働契約などが守られるか否かに左右されています。あらゆる契約は誠意をもって結ばれ、実行されるべきです。
*犯した不義を償うためには、交換的正義に基づいて、所有者から奪ったものを返済しなければなりません。
*とばく(トランプなどによる)やかけごと自体は、正義に反するものではありません。しかし、自分や身内の者の生計を立てるために必要なものを失うような場合は、道徳的に容認できなくなります。かけごとに熱中すれば、そこから抜けきれない重大な羽目に陥ります。

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