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カトリック入門

第204回 教皇レオ14世が選ばれるまで【動画で学ぶ】※レジュメ字幕付き

序)2025年4月21日に教皇フランシスコが亡くなり、5月7日にコンクラーベ(教皇選挙)が始まり、翌日の夕方、第四回目の投票でロバート・フランシスコ・プレヴォスト枢機卿が第267代教皇に選出された。「レオ14世」を名乗りました。
*プレヴォスト枢機卿は聖アウグスチノ修道会に属する修道者で、同修道会の総長を二期務め、司祭としてペルーにおける豊富な宣教司牧の体験を持ち、ペルーでは教区司教も務められた。福音宣教の現場に精通し、教会行政にも豊富な経験を持ち、修道者としての深い霊性を持っている。

1 コンクラーベまで
*4月21日に教皇フランシスコが亡くなり、4月22日に枢機卿総会の招集。4月26日に教皇フランシスコの葬儀が行われ、サンタマリア・マジョーレ教会に埋葬された。この日から9日間の喪に服する期間。毎日、追悼ミサがささげられた。
*枢機卿団は、4月28日(月)、枢機卿総会が再開。
 枢機卿総会ではできるだけすべての枢機卿が発言し、教会の現状を振り返り、次の教皇への期待を表明した。自由に発言し、一人5分の制限。中には、延々と話す枢機卿も…。
 枢機卿たちは、「教皇フランシスコの後継者を探しているのではなく、使徒ペトロの後継者を探す」。
*意見交換で明確になったのは、第一に司牧の現場、福音宣教の現場に経験と知識を持っている人物、同時に教会の組織や行政に豊かな経験と知識を持っている人、豊かな霊性を持つ人。
*5月6日の午後、投票権を持つ80歳未満の枢機卿133名が宿舎のサンマルタ館に到着。
 特設の入り口には、空港と同じような保安検査があり、スマホやパソコンをはじめ、充電器まで、電子製品はすべて没収。スマートウォッチなどの時計も取り上げられた。
 部屋には時計がなかったので、電池式の時計が大量にそろえられた。
*スマホ、パソコン、テレビ、ラジオもなく、完全にシャトアウトの世界。
 こうしたものを手放すことで、静かに祈り、黙想する時間。
 一階の聖堂では、枢機卿たちが静かに祈る姿が見られた。聖霊の導きを識別する助けになる。

2 コンクラーベ
*5月7日にコンクラーベが始まった。一回目が始まり、この日には決まらなかった。三分の二が必要で、89票。
*5月8日の午前中、二回行われた。
 一回目の時は三人くらいに絞られたようですが、二回目ではプレヴォスト枢機卿に入るようになった。三回目で決まるかなあというところでしたが、票が少し足りなかった。
*昼食の時、前田枢機卿の談話。
五月七日でしたかね、昼食の時、みんな思い思いに席に座るのですが、たまたま私の横の席が空いていて、プレヴォスト枢機卿が「この席に座っていいですか」と言って、私に話しかけてきました。私はこの人がプレヴォスト枢機卿とは知りませんでした。私はもっぱら話しを聞くばかりでしたが、「長崎、広島、大阪」と片言で話したら、どうも知っているようでした。笑顔がよくて、私が話せずにいたら話しかけてくれて、やさしい人だなあと感じました。昼食後、枢機卿を紹介した写真付きの資料があるのですが、その本を見て「あー、この人がプレヴォスト枢機卿」と、名前と顔が一致しました。
*4回目の投票(前田枢機卿の談話)
八日の午後、四回目の投票が行われました。午後、二回の投票が行われるので、投票用紙は二枚ずつ配られます。四回目の投票が行われ、投票用紙の一枚に名前を書いて投票するのですが、私の隣の席にいた枢機卿が二枚を重ねて名前を書き、「私は二枚投票してしまいました」と。些細なトラブル(「愛らしいトラブル」と表現したらいいかもしれませんが)があり、一三四票あったので、四回目の投票はやりなおしとなりました。とても珍しいです。こうして五回目の投票が行われ、プレヴォスト枢機卿に三分の二以上の票が入った時、大きな拍手が沸き起こりました。引き続き票が読み続けられ、プレヴォスト枢機卿にたくさんの票が入りました。この時、聖母マリアと聖霊の働きをつくづく感じました。この歴史的選挙に関わった経験は一生忘れることができません。ローマは夕刻の午後6時で、システィーナ礼拝堂の煙突から白煙が上がり、鐘が鳴り響きました。
*新教皇が決まった時
投票結果が発表された後、パロリン枢機卿がプレヴォスト枢機卿の所へ行き、「(投票の結果、あなたに)決まりました。これを受けますか」と言うと、プレヴォスト枢機卿はすぐに「(投票結果を)受け入れます」と答えました。全体から大きな拍手が沸き起こりました。しばらく席を離れ、白いズッケットをかぶり、白いスータンに着替えて現れ、「レオ」と名乗ることをみんなの前で宣言しました。全枢機卿が列を作り、新教皇と挨拶を交わしました。コンクラーベを通して、聖霊が働き、選んだのかなあと感じました。

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