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みことばの響き

聖霊の恵み 聖霊降臨の主日(ヨハネ15・26~27、16・12~15)

 「聖霊降臨祭」のことをギリシア語で「ペンテコステ」と表現します。「ペンテ」は5、「コステ」は10.かつて「五旬祭」とも呼ばれ、「刈り入れの祭」で多くの人々がエルサレムに集まっていました。

 聖霊降臨の状況を第一朗読の「使徒言行録」から考えてみると、激しい風が吹き、舌が分かれていきます。しかも炎の形をしています。聖霊の活発な働きを示すものです。「炎」は神の現われを示し、創世記15・17、出3・2、13・21~22などにその光景が描かれています。

 また自分の故郷の言語が語られていることに驚きます。しかも東のパルティアから始まり、クレタなど、西の方へ移っていきます。つまりその当時の世界を網羅するような意味合いです。かつて旧約聖書の中に出てくるバベルの塔で分裂されていたものが、この聖霊の恵みにより、一つとなっていきます。

 聖霊にはどんな意味があるでしょうか。「霊(プネウマ)」には「風」「息」「魂」などの意味があります。「風」は目には見えないけれど、暑い日などには、とても心地よいものです。「息」は目には見えないけれど、生きていく上で重要なものです。「息」がなくなれば人は生き絶えてしまいます。「息」は「生きる」とつながるように、命に関わるものです。「魂」は人間が持つ根源的なものです。このように聖霊、霊は私たちの存在に不可欠なものです。

 パウロが今日の第二朗読で語ることばは印象的です。「霊の結び実は愛であり、喜び、平和、寛容、親切、善意、誠実、柔和、節制」(ガラ5・22~23)。

 聖霊の恵みは何か遠い存在ではなく、いつも身近なところにあるものです。ミサ中で聖霊の働きを求める祈りがあります。「いま聖霊によってこの供え物をとうといものにしてください」。また何度となく「父と子と聖霊によって」と唱えるように…。私たちが気づかない中での聖霊の恵みを、今日は特に心を留めてみましょう。

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