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カトリック入門

第131回 原罪【動画で学ぶ】※レジュメ字幕付き

*神の計画によって人間のために備えられた調和全体は、やがて人祖の罪によって失われることになります。

1 人間の最初の罪
*悪魔に誘惑された人間は、創造主への信頼を心の中で失い、自由意志を濫用して神の掟に背きました。これが、人間の最初の罪です。その後のすべての罪は神への不従順、神の慈しみへの信頼の欠如です。
*この罪で、人間は自分自身を神に優先させ、神を軽んじてしまいました。人間は神に逆らい、被造物として要求されることに逆らい、自我を優先させていきます。人間は悪魔の誘惑に従って、「神に従わず」、「神のようになろう」とします。神と人間との調和が崩れ、男女の間に摩擦が生じ、欲望と支配がうごめいていきます。神への不従順により、死が人類の中に生じていきます。
*この最初の罪以来、罪が世界中に蔓延していきます。カインによるアベルの兄弟殺し、罪に基づく全世界的な堕落などがあげられます。
*イスラエルの歴史の中でも、罪は頻繁に、特に契約の神への不忠実、モーセの律法に対する違反として現れ、キリストのあがないのわざの後でも、キリスト者の間で、数限りもなく現れています。

2 アダムの罪の結果
*すべての人間はアダムの罪に巻き込まれています。聖パウロが次のように語ります。
 「一人の人間の不従順によって多くの者が罪びとにされたのと同じく、一人の従順によって多くの者が正しい者とされます」(ロマ5・19)
 「一人の人間によって罪が世に入り、その罪によって死が入り、こうして、すべての人間が罪を犯したので、死がすべての人間に及んだのと同じように……」(ロマ5・12)
 罪と死の普遍性に対して、聖パウロはキリストによる救いの普遍性を説きます。「一人の人間の罪によってすべての人間が有罪とされたように、一人の人間の正しい行為によって、すべての人間が義とされ、命を与えられたのです。」(ロマ5・18)
*誘惑者に負けたアダムとエバは個人としての罪を犯しましたが、この罪は人間本性を気付付け、その本性が堕罪の状態で子孫に伝わります。原初の義と聖性とを失った人間の本性が伝達されるということになります。このため、原罪は類比的な意味で「罪」と呼ばれています。
*人祖の罪の結果、悪魔にある程度支配されるようになりました。原罪は「死の国を所有する悪魔の権力下に置かれた隷属状態」をもたらしました。人間本性が傷つき、悪に傾いている事実を無視することは、教育、政治、社会活動、道徳の分野で重大な過ちを生じさせます。
*こうした中で、キリストがもたらした罪への勝利は、罪によってうしなったものより優れた賜物を私たちに与えました。「罪が増したところには、恵はなおいっそう満ち溢れました。」(ロマ5・20)

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