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みことばの響き

広い心 年間第16主日(マタイ13・24~30)

 初秋の頃、北アルプスの山々を歩いていると、季節がら大雨に遭遇することがあります。特に山の稜線などを歩いている時に雨に出会うと、何が目的で歩いているのかと足も重く感じられます。憂鬱に、時には空しく。そんな重々しい体験をした翌日、晴天に恵まれと空がこんなに青いのかと、感動を覚えたりします。前日のつぶやきもそれによって一気に晴れ上がる感じです。どこまでも澄んだ青空に遭遇すると、日ごろのクヨクヨしたことも何だか空しくなり、青空のようにもっともっと広い心を持たなければならないなあと思ったりします。

 今日のみことばで「刈り入れまで、両方とも育つままにしておきなさい」と言います。神様が忍耐強く待つ心が描かれています。まさに青空のような広い心で…。神様は罪人をこの世界から締め出すのではなく、また罪人の死を望んでおられるのではなく、罪人の回心をずっと待ち望んでおられます。最後の最後まで、神様には待つ心があることが、とても印象に残るのではないでしょうか。

 最近スローフードというのがはやるようになりました。急いで食べるファーストフードに対抗するものです。何事も慌しく過ぎていく時代にあって、ゆっくりとしたペースを保っていくのは大切なことでしょう。のんびりといろいろなことを考え、取り組んでいく。時間に追われる時代だからこそ、ゆとりを持つ大切さがあるのかもしれません。

 刈り入れまで待つ神様の広い心。今の時代にはこうしたゆとりを持った心が土台になければならないのかもしれません。

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