序)教会の掟とは、典礼生活と結ばれ、典礼生活によって養われる倫理生活にかかわるものです。司牧者の権威によって公布されたこれらの実定法が義務的な性格を帯びているのは、祈りの精神や道徳的努力、神と隣人への愛の成長などのために極めて必要な最小限度のものを保証することを目的としています。
1 教会の第一の掟
*「主日と守るべき祭日にミサにあずかり、肉体労働を休むこと」
*これは信者に、主の復活を記念する日と、主と聖母マリア、および聖人たちの神秘を崇敬する典礼上の主な祝祭日を聖とするよう求めています。それは、まず第一に、キリスト教的共同体が集う聖体祭儀にあずかることによって、また、これらの日を聖とすることを妨げる仕事や活動を休むことによって果たされます。
2 教会の第二の掟
*「少なくとも一年に一度罪を告白すること」
*これは回心の業と洗礼によるゆるしの業とを継続させるゆるしの秘跡を受けることによって、エウカリスチナへの備えをさせてくれます。
3 教会の第三の掟
*「少なくとも復活節の間にエウカリスチア(聖体)の秘跡を受けること」
*これは最小限でも、主のからだと血をキリスト教典礼の期限であり中心である復活節に合わせて拝領することを保証してくれます。
4 教会の第四の掟
*「教会が定めた大斎と小斎の日を守ること」
*これは私たちが典礼上の祝日の準備をするための禁欲と償いの時を守り、自分の本能を自制し、心の自由を得ることができるよう私たちを助けてくれます。
5 教会の第五の掟
*「教会の維持費を負担すること」
*これは、信者にはおのおのの分に応じて教会の財政を助ける義務があるということが述べられています。
6 宣教としてのあかし
*受洗者の忠実さこそが、福音の告知とこの世における教会の使命にとってのもっとも重要な条件となります。救いの知らせが人々の前にその真理と輝きの力を表すためには、それがキリスト者の生活のあかしによって裏付けられなければなりません。
*キリスト者とはキリストを頭とするからだの肢体なので、自分たちの一貫した信念や行いによって教会の建設に寄与します。教会は信者の聖性によって大きくなり、成長・発展し、ついには「成熟した人間になり、キリストの満ち溢れる豊かさになるまで成長するのです」(エフェ4・13)
*キリストに従う生活によって、キリスト者は、「正義と愛と平和の国」である神の国の到来を早めます。とはいえ、世俗の任務をなおざりにしてはなりません。自分たちの師に忠実に従い、正直と忍耐と愛をもってこれに成し遂げるのです。
