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カトリック入門

第203回 準秘跡【動画で学ぶ】※レジュメ字幕付き

(序)
*「聖にして母なる教会は、そのほかに準秘跡を制定しました。これは秘跡になぞらえて定められた聖なるしるしであって、これによっておもに霊的効果が表され、教会の祈りによってそれが与えられるものです。準秘跡は、人々に秘跡の主たる効果を受ける心構えを持たせ、また、これによって生活の種々の状況が聖化されるのです」。

1 準秘跡の特徴
*準秘跡は教会によって制定されたもので、それは教会のさまざまな奉仕職、人々の多様な生活身分、キリスト者の生活のきわめて多岐におよぶ状況、および人間に役立つ事物の使用を聖化するためのものです。準秘跡はまた、司教の司牧的決定に従い、一地方あるいは一時代のキリスト者に固有の文化や歴史の必要に答えることができるものです。準秘跡はつねに祈りを含み、しばしば、按手、十字架のしるし、聖水の注ぎなどの一定のしるしを伴います。
*準秘跡が誕生した要因は、洗礼に基づく信者の共通祭司職にあります。すなわち、すべての受洗者は自分自身が祝福となり、他の人々を祝福するように召されています。したがって、信徒も若干の祝福を行うことができます。祝福が教会的、秘跡的生活にかかわる度合いに応じて、その司式は叙階された役務者(司教、司祭または助祭)に限られてきます。
*準秘跡は秘跡のように聖霊の恵みを授けるものではありませんが、教会の祈りによって人が恵みを受け、それにこたえるための準備をさせてくれるものです。「よい心構えを持った信者のために、生涯におけるほとんどあらゆる出来事を聖化する働きを持っています。これは、キリストの受難と死と復活の神秘から湧き出る神の恩恵によるものであって、すべての秘跡と準秘跡はその力をこの神秘からくみ取るのです。実に、物質的なものが正しく使用されれば、人間を聖化し、神を賛美する目的に向けることができないものはほとんどありません」。

2 準秘跡の種々の形
*準秘跡の中には、まず祝福(人、食事、物、場所の)があります。すべての祝福は神への賛美であり、そのたまものをいただくための祈りです。キリスト者はキリストにおいて、父である神から「あらゆる霊的な祝福で」(エフェ1・3)祝福されています。そのため教会は、イエスのみ名を呼び求め、通常はキリストの十字架の聖なるしるしをしながら祝福を与えます。
*ある種の祝福は永続的な効果を持ち、ある人々を神のために奉献し、物や場所を典礼的なことだけのために使用できるようにさせます。人に関するもの――叙階の秘跡のものとは異なる――の中には、修道院の男女院長の祝福、修道誓願式、教会のある種の奉仕者(朗読奉仕者、祭壇奉仕者、カテキスなど)の祝福があります。物に関する祝福の例としては、教会堂や祭壇の奉献ないし祝福、聖油、祭器具や祭服、鐘などの祝福が挙げられます。

3 民間信仰
*カテゲジスを行う際には、秘跡の典礼や準秘跡のほかに、信者たちの信心や民間信仰の問題についても考慮しなければなりません。キリスト者の宗教的感情は教会の秘跡生活を中心にしながら、多様な信心業となって表れました。例えば、聖遺物の崇敬、聖所訪問、巡礼、行列、十字架の道行、ロザリオ、メダイなどです。
*これらの信心業は教会の典礼生活の延長ですが、これにとって代わるものではありません。「これらの行事は、典礼季節を考慮してなされるべきであって、典礼に合い、なんらかの意味で典礼に由来し、また典礼に信徒を導くものでなければなりません。典礼は本質的に、これらの行事にはるかにまさるものだからです」。

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