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みことばの響き

受諾 待降節第4主日(ルカ1・26~38)

 マリアへの「お告げ」あるいは「受胎告知」の絵は数多くあります。イタリアに滞在していた時、いろいろな教会を回っては「受胎告知」の絵を探し求め、写真も撮りました。姉がお告げのマリア修道会のシスターなので、ささやかなおみやげにと思って「お告げ」「受胎告知」の絵ハガキなどを買い求めてみたり、撮影したりしたのですが、いざ帰国してみると渡すのが惜しくなり、いまだに自分の手元に置いています。すでに30年が過ぎてしまったのですが…。

 これらの絵で有名どころはフィレンツェのサンマルコ修道院にあるフラ・アンジェリコの作品です。よく教科書などにも掲載されています。その他には三位一体教会にあるジルランディオの絵、サン・ロレンツォ教会にあるフィリッポ・リッピの絵、日本でも美術館などで展示されたことがあるウフィツィ美術館のレオナルド・ダ・ヴィンチの絵。受胎告知の絵をあげるとするなら、数限りないでしょう。

 絵葉書などを集めて共通して言えることは、左に天使、右にマリアがだいたい描かれています。そのスタイルが普通だろうと思っていたら、ナザレのお告げの教会の香部屋にある油絵は、右に天使、左にマリアが描かれていました。これまで見た絵とはまったく反対に描かれていてとてもびっくりしました。いろいろなパターンがありますが、絵を見ているとマリアの受け止め方の表情がずいぶん違います。神様から使命を受け入れるには、自分にとっておそれ多いように描かれている絵が数多くあります。

 「わたしは主のはしためです。お言葉どおりになりますように」と、自分を「はしため」と表現しています。ここにマリアの謙虚さや素朴さが伺われます。自分が主のはしためとして、神の御旨に従い、天使から言われたことを全面的に受け入れようとするのはすごい場面だと思います。

 私たちも謙虚さ、受け入れる素直さを、マリアを通して考えてみたいものです。

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