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カトリック入門

第142回 主の変容【動画で学ぶ】※レジュメ字幕付き

序)「変容」という言葉には、英語では、「Transfiguration」と表現され、「trans=越える」と「figure=姿、形、型などの意味、さらにフィギア・スケートでもこの言葉が使われ、ここでは踊る意味」
  意味としては、今までの「姿を超えていく」の意味。「変容」以上に、「これまでとは違う表情を見せる」というような意味。まさに「復活の前表」。

1 聖書を読んでみる
*マタイ、マルコ、ルカにあり、今回はルカ福音書を味わってみよう。
*ルカ9・28~36(フランシスコ会訳)
さて、これらのことを語られてから八日ほどたって、イエスはペトロとヨハネヤコブを連れて、祈るために山にお登りになった。祈っておられると、イエスの顔の様子が変わり、衣は真っ白に輝いた。そして、二人の人がイエスと話し合っていた。それはモーセとエリヤで、彼らは栄光のうちに現れて、イエスがエルサレムで成し遂げようとしておられる最期について語り合っていた。ペトロとほかの二人は、ひどく眠かった。それでも目を覚ましていると、イエスの栄光と、イエスとともに立っている二人の人を見た。この二人がイエスから離れようとしたとき、ペトロはイエスに言った、「先生、わたしたちがここにいるのは、素晴らしいことです。三つの仮の庵を造りましょう。一つはあなたのため、一つはモーセのため、一つはエリヤのために」。ペトロは自分で言っていることが分かっていなかった。ペトロがこう言っていると、雲が起こって彼らを覆った。雲に包まれたとき、彼らは恐れた。すると、雲の中から声がした、「これはわたしの子、選ばれた者。彼に聞け」。この声がしたとき、そこには、イエスだけがおられた。弟子たちは沈黙を守り、自分たちが見たことを、そのころ、誰にも話さなかった。

2)みことばの味わい
*イエスはエルサレムへ行って、苦しみを受けて葬られ、三日目に復活することを語るが、弟子たちは十分に理解できていない。これを背景に、イエスの変容と神秘的な出来事が語られていきます。
*変容は、ある高い山の上で、イエスが選んだ三人の目撃者、ペトロ、ヤコブ、ヨハネの前で行われます。アンデレはどうしたのでしょうかね。
 イエスの顔と衣服はまばゆいばかりに輝き、モーセとエリアが現れ、イエスがエルサレムで遂げようとしておられる最期に話していきます。
*三人は雲に覆われ、「これはわたしの子、選ばれた者。彼に聞け」という声が天から聞こえます。こうしてイエスは神的栄光を示し、ペトロの信仰告白を裏付けます。イエスはまた、栄光に入るには、エルサレムで十字架を経なければならないことを示されます。
*主の変容のことについて、東方教会では次のように祈ります。
 あなたは山上で変容なさいました。弟子たちは可能な限り、神であるキリスト、あなたの栄光を見つめました。それは、弟子たちが十字架につけられたあなたを見た時、あなたが進んで苦しみを受けられたことを悟り、あなたが真に御父の輝きであることを世に告げ知らせることができるようになるためでした。
*また聖トマス・アクィナスは『神学大全』のなかで、主の変容について次のような興味深い表現を使います。
 公生活の始めには洗礼があり、「わたしたちの第一の再生の神秘が明らかにされました」。これはわたしたちの洗礼です。主の変容は、わたしたちの復活である「第二の再生を示す秘跡です」。
 こうしてわたしたちは主の復活にあずかっていきます。
*主の変容は、「わたしたちの卑しいからだを、ご自分の栄光あるからだと同じ形に変えてくださる」(フィリ3・21)キリストの栄光の再臨を、前もってわたしたちに味わわせます。しかし、それはまた、「わたしたちが神の国に入るには、多くの苦しみを経なくてはならない」(使徒14・22)ことをわたしたちに想起させるものです。

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