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みことばの響き

父と子と聖霊 三位一体の主日(マタイ28・16~20)

 イエスは弟子たちを派遣するにあたり、「父と子と聖霊の名によって洗礼を授け…」と語ります。「父と子と聖霊」と、三位一体の三つのペルソナが出てくる箇所です。このことばを日常生活で振り返ってみると、祈りの初めに十字を切る時、また洗礼の時、「教会の祈り」や栄光唱を唱える時など、いろいろな機会に使われます。この内容をどのように説明するかは多くの人たちが、これまでにも苦労しました。聖アウグスチヌスも「三位一体論」を書いていますが、とても厚く、難しい本です。

 三位一体の難しい教義を分かりやすく説明したのが聖パトリックです。彼は385年頃、イギリスに生まれます。若い頃は奴隷でしたが、やがてアイルランドに連行され、羊飼いの仕事をしていました。自由の身分となり、司祭を目指します。アイルランドで司祭に叙階され、福音を宣べ伝える者となりました。

 伝説かとは思いますが、ある時に「三位一体」の教義について質問を受けます。彼は足元にあるシャムロック(三つ葉に似ている草花で、三つ葉よりもひと回り小さい植物)を取り上げ、茎は一つでも葉が三つなっていることから、「三位一体」の説明を行いました。まさに日常生活に密着した具体的な方法でした。

 こうしたこともあり、アイルランドではこのシャムロックの色がアイルランドの色となり、毎年3月17日の聖パトリックのお祝いには、この色で町が彩られ、この色をまとった多くの人々が市中を練り歩いたりします。またアイルランド航空のロゴマークも、この草花が採用されているように…。

 「三位一体」のことを神学的に説明するのは、とても難しいかもしれませんが、こうした形での説明は理解しやすいのではないでしょうか。例えば、楽器の「トライアングル」なども…。

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