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みことばの響き

神との出会い 四旬節第2主日(ルカ9・28b~36)

 日本の山に登ると、山頂には祠や仏像などがあったりします。汗をかいて山頂にたどり着き、頂上にある祠などを見ると、昔から多くの人々が山に対して敬意を払い、神との出会いを深めたのが感じられます。昨年の夏、北アルプスの薬師岳に登った時にも頂上に薬師如来像などがあり、その近くに立つと何か神秘的なものを感じました。早朝の静けさ、光、心地よい風。目には見えない神秘は、祈りへと招いてくれました。

 モーセが召命を受けるのはホレブの山(出3・1~5)。エリアもまた同様です(一王19・8)。山は神との出会いの場、恵みを受ける所です。また平原はたびたび災害にさらされることがあっても、山は避難所(創世記19・17、詩編11・1)として昔から捉えられていました。

 イエスは山に登ります。それはレクレーションではなく祈るためです。どんな箇所があるでしょうか。「ルカによる福音書」には数多く見られ、5・16では、イエスは重い皮膚病を患っている人を癒したあと、人里離れたところで静かに祈り、6・12では、イエスは12人の弟子を選ぶために山へ行き、夜通し祈っておられます。21・37では「夜は出て行って『オリーブ山』と呼ばれる山で過ごされ」ました。22章になると、オリーブ山で跪いて祈り、「イエスは苦しみもだえ、いよいよ切に祈られ」(22・44)ます。このように「ルカによる福音書」を開けてみると「山と祈り」に関する場面がよく登場しますが、今日の「主の変容」の箇所も例外ではありません。「祈るために山に登られた」(9・28)ように……。山は祈る場、同時に神との出会いを体験する場。

 私たちはいつ、どんなところで神に出会っているでしょうか。イエスと一緒に山に登るつもりで、日々の生活を振り返ってみましょう。

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