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カトリック入門

「カトリック入門」 第34回 ロウソク【動画で学ぶ】

序)ロウソク

 ミサや葬儀などでは、ロウソクは必ず用いられる。
 光源の明るさの単位:カンデラは、特定の企画のロウソクの明るさを基準として決められたもの。ロウソクをイタリア語ではCANDELA、英語ではCANDLE。
 光だとLUX(ラテン語)が使われる。(テレビのスタジオは1000LUX、明るいオフィスは400LUX、学校の教室は300LUX、月の光は0.2LUX)
 仏教ではロウソクの炎は、人々を照らす仏の光明の象徴。光はあの世とこの世をつなぐ役割がある。

1 ロウソクの歴史

 原始的なロウソクは蜜蝋。(ミツバチが巣を作るために腹部から分泌するロウ)
 蜜蝋は紀元前3世紀にヨーロッパや中国で製造されていた。
 古代エジプトでは、2300年前のツタンカーメンの墓から燭台が発見されているので、ロウソクが使われていた。
 19世紀にガス灯が使われるようになるが、それまで室内の照明としてロウソクは使われていた。シャンデリアもロウソクが置かれ、室内を明るくした。
 日本でロウソクが登場するのは、奈良時代のこと。仏教伝来とともに、中国から蜜蝋が輸入された。平安時代に遣唐使が廃止され、蜜蝋に代わって松脂(まつやに)ロウソクが作られるようになった。
 室町時代には宮廷の一部や寺院などしか使われなかった。とても貴重品だった。その後、ハゼノキや漆の実を原料にした「和ロウソク」が作られるようになった。でも庶民には高価なものだった。
 18世紀以降、石油パラフィンからロウソクが作られるようになり、大量生産が可能となった。1870年代には白熱電球が発明され、時代が変わっていった。

2 洋ロウソクと和ロウソク

 洋ロウソクは、古代エジプトなどで使われていた蜜蝋を原料にしたもので、その後、クジラの油などが使われ、最近では重油を精製したパラフィンなどが使われている。
 和ロウソクは灯芯と和紙を芯にして、ハゼノキからとる木蝋を原料に塗り重ねて作られる植物性のものである。

3 宗教儀式

 カトリックのミサでは、祭壇の上にロウソクが置かれ、それは光の象徴として用いられている。復活祭のときには、キャンドルサービスがあり、ロウソクを手に持つ。復活のロウソクの祝福の後、その日から各自のロウソクに火がともされ、ミサに参加する。
 蜜蝋が使われたりもする。それはよい香りがするので…。ただ高価なので、蜜蝋を使う機会が少ない。

*ミサ典礼書の総則(79番)
 ロウソクの本数について
 「祭壇上もしくは祭壇の近くに、少なくとも二本、あるいは四本もしくは六本、またはその教区の司教が司式をする場合には七本、火をともしたろうそくを立てるものとする。」
 祭儀の中での多様性
 最も多い七本という本数は、ヨハネの黙示録1・13に基づいている。
 「わたしは、語りかける声の主を見ようとして振り向いた。振り向くと、七つの金の燭台が見え、燭台の中央には、人の子のような方」(=キリスト)がおられたと、ヨハネは神から示された光景を書き記している。
 キリストの代理者として最高の恵みと権限を委ねられている、その教区の司教が司式する場合には七本、それ以外のときには、より少ない数で二、四、六本という偶数の本数が規定されている。偶数であるのは、バランスのため。
 総則は、教会(聖堂)の広さや祭壇の大きさに応じて適応できるよう、祭壇上あるいはその近くに置かれるロウソクの本数に幅を持たせている。

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