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カトリック入門

「カトリック入門」 第44回 ダビデ【動画で学ぶ】

序)ダビデとは?

 「新約聖書」の最初の部分に「アブラハムの子、ダビデの子であるイエス・キリストの系図」(マタ1・1)と出てきます。系図の中で、ダビデが重要な人物であることが分かります。
 二人の盲人の話の中で、彼らが「ダビデの子よ、わたしたちを憐れんでください」(マタ9・27)と叫びます。
 イスラエル最大の王で、ユダ王国の創始者。イスラエル王国第二目の王。ヘブロンで7年、エルサレムで33年、合計40年間在位。
 ヘブライ語で、ダビデの「D」は4、「V」は6、「D」は4,合計14になります。
 「アブラハムからダビデまでが14代、ダビデからバビロン捕囚までが14代、バビロン捕囚からキリストまでが14代」。名前を数字化してみると、彼の偉大さが分るでしょうか。

1)ダビデの足跡

 イスラエル最初の王サウルに失望した預言者サムエルが、主に導かれて、ベツレヘムの牧童であったエッサイの子ダビデを見出し、サウルに代わる王として油をダビデに注ぐ。(一サム16・1~13)
 ダビデは竪琴の名演奏家、勇敢な戦士で、イスラエル最初の王サウルに仕える。ペリシテ人の大きな戦士ゴリアテを一騎打ちで倒し、数々の戦いに勝っていく。
 やがて千人隊の隊長に任命された。サウルの子ヨナタンと固い友情に結ばれ、王の娘ミカルを妻に与えられた。
 あまりにも人気があり、サウルに嫉妬されるまでになり、いのちの危険を感じ、宮廷から逃亡した。
 ダビデの治世になってカナン占領が実現し、ダビデが実現していく。(二サム5・17~25、10~12章)エルサレムの占領によってカナンの征服が完了し、この町は「ダビデの町」と呼ばれるようになった。エルサレムは全イスラエルの首都となり、これを中心として諸部族の統合がなされる。
 ダビデはエルサレムに契約の櫃を迎え、ここを新しい聖なる都とする。(二サム6・1~19)彼はここで祭司の務めを果たす。こうして「ダビデとイスラエルの家全体」が、勇逸の神を囲みつつ、一つの民を形成する。

2)ダビデの英雄

 ダビデは神に深く信頼し、召命に応えていく。ダビデは、自分を迫害するサイルのいのちを奪う機会もあったが、彼に手をかけることはなかった。(一サム24、26章)
 ダビデは神のみ旨に自分を完全に委ねる。神から受けた特別の恵みに当惑するほど謙虚な僕であった。そのために、ダビデはイスラエルの「貧しい人々」の模範ともなる。
 ダビデは「イスラエルのよい歌人」(二サム23・1)で、レビ人によると、数多くの詩編を作成した。また神殿を設計し(一代22,28章)、祭儀や聖歌隊を組織してもいます。
 宗教的は偉大な人でしたが、人間的には弱い面もありました。勇敢な武人であったが、狡猾な面もあった。(一サム27・10~12)事実、ウリアの妻がとてもきれいな人で、自分のものにしようとする。そこでウリアを戦いの最前線に立たせ、ウリアは戦死していきます。ダビデはその後、ウリアの妻を自分のものにしていった。神様はこのことを不愉快に感じた。その後、最初の子供は亡くなっていきます。ダビデ自身の回心の心は、詩編51の中で歌われている。
 ヨナタンとの友情、サウルに対して示した尊敬の心。
 そこから契約の櫃に対する尊敬、部下への命の尊重、ゆるしの心。

3)ダビデの子孫

 時が満ちた時、メシアとして来臨したイエスは、「ダビデの子孫」と呼ばれる。イエスはダビデよりも偉大で、ダビデの「主」であると宣言している。(マタ22・42~45)

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