(序)結婚の尊厳に反すること。例えば、姦通、離婚、近親相姦などを挙げることができます。
1 姦通について
*「姦通」は夫婦間の不忠実を意味します。少なくとも一方が既婚者である二人が性的交わりを持つ場合、たとえ一時的なものであったとしても姦通を犯すことになります。キリストは望みによる姦通さえ断罪しておられます。第六の掟も新約聖書も、姦通を無条件に禁じています。預言者たちはその重大さを告発し、姦通を偶像崇拝の罪の象徴とみなしています。
*姦通は不当な仕打ちです。それを犯す人は自己の義務に背くことを行い、契約のしるしである結婚の絆を傷つけ、他の配偶者の権利を侵害し、さらに結婚の基となっている契約を破ることによって、結婚制度を損なうことになるのです。また、かけがえのない人間の出産や、親の安定した一致を必要とする子供の善益などを危険にさらすことになります。
2 離婚
*主イエスは、結婚を不解消とされた創造主の最初の意図を力説なさいました。そして、旧約の律法に入り込んだ認容を撤廃なさいます。キリスト者同士の「完成の認証婚は、死亡の場合を除いて人間のいかなる権力によっても、またいかなる理由によっても解消されえない」ことになっています。
*結婚の絆を維持した状態での夫婦の別居は、教会法で規定されている条件のもとでは、ゆるされることがあります。
子どもの養育もしくは財産の保護を合法的に保証できる方法として民法上の離婚しか残されていないような場合は、民法上の離婚は、倫理的に容認することができます。
*離婚は自然法に反することです。それは夫婦が死に至るまでともに生きると自由意志を持って同意した契約を破棄しようとすることです。離婚は、秘跡による結婚が表す救いの契約を侮辱するものです。
*離婚はさらに、家庭内のあらゆる部分や社会全体に混乱をもたらすという面でも道徳に反するものとなります。この混乱によって、見捨てられた配偶者をはじめ、両親の離別によって傷つき、しばしば両社の間で引っ張り回される子どもたちの重大な被害がもたらされます。さらに、伝染効果によって、まことの社会的被害がもたらされることになります。
*民法による離婚を言い渡された配偶者の一方が、罪のない単なる被害者になることもありえます。その場合、当人は倫理的掟に違反してはいません。結婚の秘跡に忠実であろうと真摯に努力した配偶者と、自分の重大な過ちによって教会法上の有効な結婚を破棄した者との間には、はっきりとした相違があります。
3 一夫多妻
*福音に心を開いて回心することを望み、そのために、長年の間夫婦生活をともにしてきた一人ないしそれ以上の妻から別れなければならない人の悲しみのほどは思いやられます。しかしながら、一夫多妻は道徳律にかなったものではありません。夫婦の「交わりに根本的に矛盾し、初めから啓示されている神の計画を真っ向から否定するものです。なぜならそれは、結婚において全面的であるがゆえに唯一無二の排他的な愛で自己を与え合う男女の対等な人格の尊厳に反するからです」。
4 近親相姦
*近親相姦とは、相互間の結婚が禁じられている親族や姻威間の性的関係のことです。聖パウロはこの特別に重い罪について次のように非難しています。「現に聞くところによると、あなたがたの間にみだらな行いがあり、ある人が父の妻をわがものとしているとのことです。わたしはすでにさばいてしまっています。わたしたちの主イエスの名により、このような者を、その肉が滅ぼされるようにサタンに引き渡したのです」(一コリ5・1~5)。近親相姦は家族関係を堕落させるものです。
