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みことばの響き

祈りと活動 年間第5主日(マルコ1・29~39)

 とても忙しく活動しているイエスの情景が描かれています。まずシモンのしゅうとめが熱を出して寝ていたことを知り、イエスは彼女を癒します。夕方になると、人々は病人や悪霊に取りつかれた者たちをたくさん連れてきます。翌日になると、ガリラヤ中の会堂へ行き、宣教し、悪霊を追い出しています。こうした毎日のイエスの行動を見てみると、とても忙しい時間を過ごしていることが分かります。

 ところが、そんな合間にも「朝早くまだ暗いうちに、イエスは起きて、人里離れた所へ出て行き、そこで祈っておられた」(マルコ1・35)とあります。サンドイッチを思い出していただいたらよいのですが、一番肝心でおいしいものがパンの間に挟まっています。イエスの歩みもこれに似ていて、種々の行動が両サイドにあるパンとすれば、肝心な味付けや具は、間に挟まった祈りです。こういう書き方はマルコ福音書によく出てくるパターンです。

 ある時、写真家の沖守弘さん家を訪ね、取材をお願いしたことがあります。沖さんはカトリック信者ではありませんが、家の中にはご自身が撮影されたマザー・テレサの写真が飾られていました。その中でも特にお気に入りは、マザー・テレサが祈っている姿のようでした。沖さんの話によれば、(小学館から発行された)マザー・テレサ写真集のその姿は、早朝ミサの前かあるいはミサの間に撮影なさったとのことでした。その写真に写っているマザー・テレサの顔はとても神々しいものです。この世のものではない、神と心から一致した姿で、写真を撮られた沖さん自身も、とても感動なさったようです。沖さんがこの写真を撮られた後、マザー・テレサはいつものように市内の貧しい施設を訪問なさったと言います。

 活動の前にはこうした祈りがある。私たちにとっても、そうした祈りと活動のバランスを考えたいものです。

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