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カトリック入門

第140回 イエスの誘惑【動画で学ぶ】※レジュメ字幕付き

序)私たちの生活において、種々の誘惑があります。

1 イエスが誘惑を受ける前
*イエスは洗礼者ヨハネから洗礼を受け、「霊に導かれて荒れ野へ行かれました。」(マタ4・1)それは悪魔によって試みられるためでした。このことについては、マタイ福音書、マルコ福音書、ルカ福音書に記され、それぞれ趣が違います。
*四十日四十夜断食した後、空腹を覚えられます。
 私たちでも、一食、二食抜いただけでも空腹を覚え、四十日となると、頭がぼーとするのではないでしょうか。その後、誘惑を受けられます。

2 マタイ福音書での誘惑
➀「もしあなたが神の子なら、これらの石がパンになるように命じなさい。」と。
 断食した後だけに、大きな誘惑と言えます。
*イエスは旧約聖書を用いながら、「人はパンだけで生きるのではない。神の口から出るすべての言葉によって生きる」と答えていきます。
➁悪魔はイエスを聖なる都に連れていき、神殿の頂に立たせて言います。「もしあなたが神の子なら、ここから身を投げなさい。」と。試みの誘惑です。
*イエスは「あなたの神、主を試みてはならない」と語ります。
③悪魔はイエスを非常に高い山に連れていき、世のすべての国々とその栄華を見せます。そてイエスに言います。「もしあなたがひれ伏して、わたしを礼拝するなら、これらのものをすべてあなたに与えよう」と。
*イエスは、「サタンよ、退け。あなたの神、主を礼拝し、ただ主のみに仕えよ」と語ります。イエスは決して悪魔に屈しないこと、ひれ伏さないことを言明します。

3 旧約聖書との関連
*これらの誘惑は、楽園でのアダム、荒れ野のイスラエルの民が受けたすべての誘惑を凝縮した攻撃です。
*最初のアダムが誘惑に屈したのに対して、新しいアダムであるイエスは、最後まで神に対する忠実を貫いていきました。かつて荒れ野で四十年間、神を挑発していた民とは反対に、キリストは自分が神のみ旨にまった従順な神の僕であることを表されます。こうして、イエスは悪魔に打ち勝たれました。
*荒れ野での誘惑者に対するイエスの勝利は、御父への子としての愛による従順であり、受難の勝利を先どりするものです。

4 誘惑への勝利
*誘惑に対するイエスの対応は、神の御子のメシアとしての在り方を示していますが、それはサタンがイエスに持ちかけたこと、人々がメシアに期待したこととは正反対のものです。こうして、キリストは私たちのために誘惑者に対して勝利をおさめられたのです。「この大祭司は、私たちの弱さに同情できない方ではなく、罪を犯されなかったが、あらゆる点において、私たちと同様に試練にあわれたのです」(ヘブ4・15)。教会は、毎年、四旬節の四十日間を通して、荒れ野でのイエスの神秘に心を合わせます、

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