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カトリック入門

第117回 使徒伝承【動画で学ぶ】※レジュメ字幕付き

序)神は、「すべての人々が救われて真理を知るようになることを望んでおられます」(一テモ2・4)。その真理とは、キリスト・イエスのことです。したがって、キリストはすべての国民、すべての人に告げ知らされ、こうして啓示が世界の隅々まで及ばなければなりません。

1 使徒伝承
*「主キリストは至高の神の全啓示が自らにおいて完了されるため、かつて預言者によって約束された福音を自ら実現し、かつご自分の口をもって宣布しましたが、これを救いに関するあらゆる真理と道徳の源として、すべての人に宣べるよう、また彼らに神の賜物を与えるよう使徒たちに命じました。」(「啓示憲章」7番)
*使徒の宣教
 福音の伝達は二つの方法で行われます。
• 口述で。「キリストのことばを聞き、キリストとともに生活し、そのわざを目撃して知ったこと、あるいは聖霊の示唆から学んだことを説教と模範と制度をもって伝えた使徒たちによって」
• 書によって。「同じ聖霊の霊感により救いの知らせを書き物にした使徒たちとその周りの人たちによって」
*使徒の後継者によって続けられる宣教
 「使徒たちは、生きた完全な福音が、つねに教会に保存されるよう、司教たちを後継者として残し、彼らに『自分たちの教導職を与えました』」
 聖霊のうちにあって遂行されるこの生きた伝達は、聖書とは異なるものとして聖伝と呼ばれます。聖伝は聖書と密接に結ばれています。この聖伝により、「教会は、その教義と生活と典礼とにおいて、自らあるがままのすべてと、信じることのすべてを永続させ、あらゆる世代に伝えるのです。」

2 聖伝と聖書との関係
*共通の源泉
 「聖伝と聖書とは互いに固く結ばれ、互いに共通するものがあります。なぜなら、どちらも同一の神的起源を持ち、ある程度一体をなし、同一の目的を指している」からです。
*伝達の二つの異なる方法
 「聖書は、聖霊の霊感によって書かれたものとして神のことばです。」
 「聖伝は、主キリストと聖霊から使徒たちに託された神のことばを余すところなくその後継者に伝え、後継者たちは、真理の霊の導きのもとに、説教によってそれを忠実に保ち、説明し、普及するようにするものです。」

3 ゆだねられた信仰の遺産についての解釈
*教会全体にゆだねられた信仰の遺産
 聖伝と聖書の中に含まれるゆだねられた信仰の遺産は、使徒たちによって教会全体に託されています。「この委託物によって、聖なる民全体が、その牧者を中心にして、使徒たちの教えと、信者の交わりと、パンを裂くことと、祈りとを不断に続けています。」

*教会の教導権
 「書き物、あるいは口伝による神のことばを権威をもって解釈する役目は、キリストの名で権威を行使する教会の生きた教導権だけに任せられています」。教会の教導権をもっているのはペトロの後継者、ローマ司教と結ばれた司教たちです。
 「この教導権は神のことばの上にあるものではなく、むしろ、これに奉仕し、伝えられたことだけを教えるのです。」
*信ずべき教義
 私たちの霊的生活と教義の間には、有機的なつながりがあります。教義は私たちの信仰の道に設けられたともし火で、その道を照らし、確実なものとします。
 各教義の相互関連と一貫性は、キリストの神秘の啓示全体の中に見いだすことができる。

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