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カトリック入門

第224回 母であり養育者である教会【動画で学ぶ】※レジュメ字幕付き

1 倫理的生活
*キリスト者は教会の中で、すべての受洗者との交わりのうちに自分の召命をまっとうします。信者は教会から、「キリストの律法」の教えを含む神のことばを受けます。教会から、「道」を歩む上で支えとなる秘跡の恵みをいただきます。教会から聖性の模範を学び、いと聖なるおとめマリアのうちに聖性の在り方や源泉などを確認します。また、聖性を生きる人々の真正な証しを見て聖性を識別し、自分たちの先を歩まれ、聖人暦に合わせて典礼で祝われる聖人たちの霊的伝統や長い歴史のうちにも、その聖性を見いだします。
*倫理的生活は一種の霊的礼拝です。私たちは、私たちが形作っているキリストのからだの中で、キリストの供え物に合わせながら、「自分のからだを神に喜ばれる聖なる生けるいけにえとして捧げます」。典礼や秘跡を執り行うとき、祈りや教えがキリストの恵みと一つになってキリスト者の行動を照らし、培います。倫理生活は、キリスト教的生活全体がそうであるように、エウカリスチアのいけにえにその源泉と頂点とを見いだすのです。

2 倫理生活と教会の教導権
*「真理の柱であり土台である」教会は、「救いの真理を告げよとのキリストのこの荘厳な命令を、……使徒たちから受けました」。「教会は、社会秩序に関することをも含めて倫理の原則をいつでもどこでも告知し、かつ、人間の基本的権利または救いに必要な限り、あらゆる人間的問題について判断をする権限を有する」のです。
*倫理的なことがらに関する教会の司牧者たちの教導権は、通常は、神学者や霊性の専門家たちの著作の助けを得て、ケテケージスや説教の中で行使されます。こうして、司牧者たちの庇護と警戒のもとに、代々にわたってキリスト教的倫理の「ゆだねられた遺産」が伝えられてきました。この遺産とは、キリストへの信仰によって明らかにされ、愛によって生かされた規則や掟や徳などの特徴的な要点をまとめたものです。このカテケージスは伝統的に、信条や主の祈りのほかに、すべての人間にとってゆうこうな倫理生活の基本を明らかにする十戒を土台にしてきました。
*ローマ教皇および司教たちは、「真正なる師、すなわちキリストの権威を帯びている師であって、信じて生活の中に生かすべき信仰を自分に委ねられた民に宣教します」。教皇と、教皇と一致した司教たちの普遍的な通常の教導権は、信ずべき真理と、実践すべき愛と、希望すべき至福とを信者たちに教えます。
*キリストの権威にあずかっているということがもっともはっきりと示されるのは、不謬性のカリスマによってです。この不謬性は「神の啓示の遺産の広がりと同じ広がりを有します」。それはまた、倫理に関する教義を含めて、それを欠いては、救いをもたらす信仰の真理を、守り、説明し、遵守することができない、教義に関連するあらゆることがらに及びます。
*教会の教導権はまた、自然法の投球な掟にも及びます。なぜなら、これを遵守することは、創造主から求められているだけではなく、救いに必要だからです。教会の教導権は人々に自然法の掟について思い起こさせながら、人間が真に何であるかを告げ知らせ、神のみ前でどうあるべきかを考えさせるという教会の預言職の本質的な役割の一部を行使するのです。
*教会に委ねられた神の法は、いのちと真理の道として信者に授けられます。したがって信者には、判断を浄化し傷ついた人間理性を恵みの助けで癒やす、神の救いの掟に関する教えを受ける権利があります。また信者や、教会の合法的権威が与えた法令と決定とを遵守する義務があります。たとえ生活規律に関する法令であっても、愛をもって素直に従うよう求められます。

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