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カトリック入門

第208回 神の似姿である人間【動画で学ぶ】※レジュメ字幕付き

序)
*創世記の第一章に「天地の創造」の話が出てきます。
 「初めに、神は天地を創造された」から始まり、光、水、大空、地に草、生き物などを造り、最後に人間を創造します。
*「神はご自分にかたどって人を創造された。神にかたどって創造された。男と女に創造された」(創世記1・27)。
 あらゆる創造の中で、神に似せて造られたものは人間だけです。
 そこに人間の尊厳があります。

1 神の似姿
*「キリストは、父とその愛の秘義を啓示することによって、人間を人間自身に完全に示し、人間の高貴な召命を明らかにします」。
*人間は、「見えない神の姿」(コロ1・15)であるキリストにおいて、創造主に「かたどり、その似姿として」造られました。そして、贖い主であり救い主であるキリストにおいて、原罪によって人間のうちでゆがめられた神の似姿はその原初の美しさを取り戻し、神の恵みによって高貴なものとされたのです。
*神の似姿は一人ひとりの人間の中に刻まれていますが、その姿は神の三つのペルソナ間の一体性のかたどりである人間相互の交わりの中で輝き出ます。
*不滅の霊的な魂を受けた人格は、「神がそのもの自体のために望んだ地上における唯一の被造物」です。人間は受胎の時から永遠の至福に向けられています。
*人間には霊魂および知性や意志という精神的能力が備わっているので、「神の似姿の優れたしるし」である自由が与えられています。

2 理性とのかかわり
*理性によって、人間は「善を行い、悪を避けるよう」にと勧められる神の声を認識します。一人ひとりの人間は良心のうちに響くこの神の掟に従わなければなりません。神の掟は神と隣人とを愛することによって守られます。
*しかし、「人間は悪霊に誘われて、歴史の初めから、自由を濫用しました」。誘惑に負け、罪を犯したのです。善へのあこがれを持ち続けてはいますが、その本性は原罪の傷を負っています。人間は悪に傾き、誤りやすい者となりました。

3 罪からの解放
*キリストは、受難によって私たちをサタンと罪から解放されました。私たちのために、聖霊による新しいいのちを勝ち取ってくださいました。聖霊の恵みは、罪が私たちのうちで損なったものを回復してくれます。
 「一人の人間の罪によってすべての人間が有罪とされたように、一人の人間の正しい行為によって、すべての人間が義とされ、命を与えられたのです。」(ロマ5・18)
*キリストを信じる者は、神の子どもとなります。信者は神の子どもとされて、キリストの模範に従うように変えられ、正しい行いをし、善を実践することができるようになります。その救い主と結ばれた弟子は、愛の完成である聖性へと到達します。恵みによって開花した倫理生活は、天の栄光のうちに永遠のいのちとして実りを結びます。
 「一人の人間の不従順によって多くの者が罪びとにされたのと同じく、一人の従順によって多くの者が正しい者にされます。」(ロマ5・19)

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