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カトリック入門

第147回 キリストの復活【動画で学ぶ】※レジュメ字幕付き

*キリストは三日目に復活されます。四つの福音書全てに記されています。描写が美しいルカ福音書を読んでみましょう。
 週の初めの日、明け方早く、婦人たちは用意しておいた香料を持って墓に来た。見ると、石が墓から転がしてあった。中に入っていると、主イエスの遺体は見当たらなかった。そこで彼女たちが途方に暮れていると、突然、輝く衣を着た二人の人が彼女たちのそばに現れた。彼女たちが恐れおののいて、地に顔を伏せていると、二人が言った、「なぜ、生きておられる方を死者の中に捜すのか。その方はここにはおられない。復活された。またガリラヤにおられたころ、あなた方に仰せになったことを思い出しなさい。『人の子は罪人たちの手に渡され、十字架につけられ、三日目に復活する』と、仰せになったことを」。そこで彼女たちはイエスの言葉を思い出した。そして墓から帰ると、十一人の使徒とほかのすべての人々に、これらのことを一つ残らず告げ知らせた。この婦人たちは、マグダラのマリアとヨハナ、そしてヤコブの母マリアであった。彼女たちとともにいた他の婦人たちも、これらのことを使徒たちに話した。しかし、使徒たちには、この話はたわごとのように思われたので、彼女たちを信用しなかった。(ルカ24・1~11)
*キリストは生前、弟子たちに復活のことについて話していましたが、その場になった時に信じることができなかったことは興味深いことです。その点でも復活のことについて理解するのは、難しいのかもしれません。

1 復活の出来事
*福音書全体を要約すると、復活については次のように語ることができます。
 マグダラのマリアと聖なる婦人たちは、安息日になるので金曜日の夕方に急いで葬られたイエスの遺体に香油を塗ろうとして墓に入り、復活者に最初に出会った人たちです。こうして、婦人たちは使徒たちにキリストの復活を伝える最初の使者になりました。その後、イエスはまずペトロに、ついでに他の使徒たちに姿を現されました。兄弟たちの信仰を強めるように命じられていたペトロは、復活した方に他の弟子たちよりも先に会います。そして一同は、ペトロの証言に基づいて、「本当に主は復活して、シモンに現れた」(ルカ24・34)と叫ぶのです。
*キリストの復活の神秘は、聖パウロが紀元56年頃、コリント書の中で次のように記しています。「わたしがあなたがたに伝えたのは、わたしも受けたものです。すなわち、キリストが、聖書に書いてあるとおりわたしたちの罪のために死んだこと、葬られたこと、また、聖書に書いてあるとおり三日目に復活したこと、ケファに現れ、その後十二人に現れたことです」(一コリ15・3~4)。

2 復活の状態
*復活したイエスは、触れさせたり、食事をともにしたりして、弟子たちと直接に交わられました。こうして、ご自分が亡霊ではないことを認めるよう、またとくに、弟子たちにはからだを見せ、そのからだが苦しみを受け、十字架につけられたからだと同じであることを納得させようとしておられます。受難の傷跡をまだ帯びているからです。しかし、このからだは、同時に栄光のからだの新しい特性を備えています。
*こうした弟子たちの疑う深い姿は、後世の私たちに復活を理解していく上で効果的なことかもしれません。
*キリストの復活は、この世のいのちへの復帰ではありません。ヤイロの娘、ナインの若者、ラザロなど、ご自分の復活以前にキリストによって行われた蘇生の場合とは異なります。この三人の蘇生は奇跡でした。奇跡的によみがえった彼らは、イエスの力によって通常のこの世の生活に戻っていきました。そして、いつかは再び死んだのです。キリストの復活は、本質的にこれとは異なります。復活したからだをもって、キリストは死の状態から時空を超えた別のいのちに移ります。復活したときのイエスのからだは、聖霊の力に満たされています。栄光の状態で神のいのちにあずかっているのです。
*キリストの復活は、将来のわたしたちの復活の始まりであり、源です。
 パウロの言葉が印象的です。「今やキリストは死者の中から復活され、眠りに就いていた人たちの初穂となられました。一人の人間を通して死はやって来たのですから、また、一人の人間を通して死者の復活もやって来るのです。アダムに連なってすべての人が死ぬのと同じように、また、キリストに連なってすえての人は命あるものとされるのです。」(一コリ15・20~22)
 このことが実現されるまで、復活されたキリストは信じる人々の心の中に生きておられます。

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