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カトリック入門

第143回 イエスのエルサレム入城【動画で学ぶ】※レジュメ字幕付き

序)「イエスは、天に上げられる時期が近づくと、エルサレムに向かう決意を固められた」(ルカ9・51)。
 この決断は、イエスが死を覚悟してエルサレムに向かうことを物語っています。これまでにイエスは三回、ご自分が受難と復活について予告しておられました。「預言者がエルサレム以外のところで死ぬことは、ありえない」(ルカ13・33)と語られます。

1 エルサレムでの過去の出来事
*イエスは、かつてエルサレムで殺された預言者たちの殉教のことを思い起こされます。
 「エルサレム、エルサレム、預言者たちを殺し、自分に遣わされた人々を石で打ち殺す者よ」(マタ23・37)。
*こうした過去の出来事を想起しながらも、「めん鳥が翼の下に雛(ひな)を集めるように、わたしは幾度、あなたの子らを集めようとしたことであろう。しかし、あなた方はそれに応じようとしなかった」(マタ23・37)と。
*エルサレムの人々は、イエスのもとに集まるように呼び続けています。
 エルサレムを目前にした時には、エルサレムのために泣き、「もしこの日、お前も平和をもたらす道が何であるかを知ってさえいたら…。しかし今は、それがお前の目には隠されている」(ルカ19・42)。こうして自分の思いを語られます。

2 エルサレム入城
*エルサレムの人々は、メシアをどのように迎えたのでしょうか。イエスを王として担ぎ出そうと民衆は考えていました。イエスはダビデの子、救いをもたらす者として、歓呼の声に迎えられます。
*人々は喜びのうちに、声高らかに神を賛美して、
 主の名によって来られる方、
 王に祝福があるように。
 天には平和、
 いと高き所には栄光。(ルカ19・38)
*「栄光に輝く王」(詩編24・7~10)であるイエスは、「ろばに乗って」(ゼカ9・9)入城なさいます。馬であれば戦いのシンボルになり、ろばは平和のシンボルです。
*すなわち、教会の予型であるシオンの娘エルサレムの心を、策略や暴力によってではなく、真理のあかしをする謙虚さによって勝ち取っていきます。ですから、この日にイエスの王権を認めるのは、子どもたちや「神における貧しい者たち」です。彼らは、天使がイエスの誕生を羊飼いたちに告げた時のように歓呼の声でイエスを迎えます。教会は、「祝福あれ、主の名によって来る人に」というこの歓呼を、キリストの過ぎ越しの記念祭である感謝の祭儀の「感謝の賛歌(聖なるかな)」の中で今でも繰り返しています。

☆イエスのエルサレム入城は、メシアである王がその死と復活による過ぎ越しを通して実現しようとなさっているみ国の到来を表します。教会はこれを枝の主日の典礼で記念し、聖週間を開始します。

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