書籍情報、店舗案内、神父や修道士のコラムなど。

修道院の祈り

十字架の道行の祈り――神さまとともに歩く修道院の祈り

主キリスト、あなたを礼拝し、賛美します。
あなたは尊い十字架とご死去をもって、世を贖ってくださいました。

祈願
父よ、わたしたちの主イエス・キリストは、敵の手に自らをゆだねることを恐れず、十字架の苦しみをお受けになります。どうかこの家族をいつくしみをもって顧みてください。わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。


悔い改めの祈り
いつくしみ深いイエスよ、
あなたの尊いみ足のもとにひれ伏して、
心の底から罪のゆるしを願います。
特に自分の罪を、あなたの限りない愛に背くものとして
悔やみ、憎みます。
再び罪を犯してあなたに背くより、むしろ死ぬことを望み、
生涯、すべてに超えてあなたを愛することを決心します。

主よ、あわれんでください。わたしたちをあわれんでください。
ああ、聖母よ、十字架に釘づけられた御子の傷を、
わたしの心にしるしてください。

——
悲しみの御母は御子がかかる十字架のもとに
涙にむせびつつ立っておられた。
Stabat mater dolorosa
iuxta crucem lacrimosa, dum pendebat Filius.


第一留 主キリスト、あなたを礼拝し、賛美します。
あなたは尊い十字架とご死去をもって、
世を贖ってくださいました。

何の罪とがもないイエスは、神の栄光と人びとの救いのために、ピラトの不正な死刑の宣告をお受けになります。
愛するイエス、あなたへの愛と自分の罪の償いとして、わたしの死を、これに伴うあらゆる悲しみ、苦しみ、悩みとともに受け入れます。
主よ、わたしの思いではなく、み旨が行われますように。

主よ、あわれんでください。わたしたちをあわれんでください。
ああ、聖母よ、十字架に釘づけられた御子の傷を、
わたしの心にしるしてください。

——
嘆き悲しむマリアの心は剣で刺し貫かれる。
Cuius animam gementem,
contristatam et dolentem
pertransivit gladius.


第二留 主キリスト、あなたを礼拝し、賛美します。
あなたは尊い十字架とご死去をもって、世をあがなってくださいました。

イエスは十字架を担われます。師イエスは、「わたしについて来たい者は、自分を捨て、日々、自分の十字架を背負って、わたしに従いなさい」と招いておられます。 師イエス、わたしは自分の情欲を制し、日々の十字架を背負ってあなたに従うことを望みます。
主よ、わたしをみもとに引き寄せてください。わたしの歩む道は狭くても、天国に通じるものです。わたしの導き手であり、慰め手であるあなたに寄りすがります。

主よ、あわれんでください。わたしたちをあわれんでください。
ああ、聖母よ、十字架に釘づけられた御子の傷を、……

——
神のひとり子の尊い御母の悲しみと傷は、いったいどれほどでしょうか!
O quam tristis et afflicta
fuit illa benedicta mater Unigeniti!


第三留 主キリスト、あなたを礼拝し、賛美します。
あなたは尊い十字架とご死去をもって、世をあがなってくださいました。

ゲツセマネの御苦しみに打ちひしがれ、鞭打ちといばらの冠に傷つけられ、断食に力尽きたイエスは、重い十字架の下に初めてお倒れになります。
イエスは、罪に陥る人を支えるためにお倒れになります。
悪魔と世間の誘惑が多いからです。
主よ、わたしたちを試みにあわせることなく、過去、現在、未来の悪から救ってください。

主よ、あわれんでください。わたしたちをあわれんでください。
ああ、聖母よ、十字架に釘づけられた御子の傷を、
わたしの心にしるしてください。

——
御子の苦しみを見て、御母は悲しみに沈まれる。
Quae maerebat et dolebat
pia mater, dum videbat
Nati poenas incliti.


第四留 主キリスト、あなたを礼拝し、賛美します。
あなたは尊い十字架とご死去をもって、世をあがなってくださいました。

十字架を担われたイエスは、悲しみの聖母にお会いになります。
イエスとマリアのみ心は、受難においても一致しておられます。
これほどまでも人びとを愛し、人びとのために何ものも惜しまなかったお二人のみ心を仰ぎ見ます。
イエスとマリアのみ心よ、ますます深くあなた方を知り、愛し、倣う恵みを与えてください。常にあなた方のものであるよう、わたしの心をささげます。

主よ、あわれんでください。わたしたちをあわれんでください。
ああ、聖母よ、十字架に釘づけられた御子の傷を、
わたしの心にしるしてください。

——
深く悲しまれるキリストの御母を見て、
ともに泣かない者がいるだろうか。
Quis est homo qui non fleret,
matrem Christi si videret in tanto supplicio?


第五留 主キリスト、あなたを礼拝し、賛美します。
あなたは尊い十字架とご死去をもって、世をあがなってくださいました。

人びとは同情をよそおい、通りがかったキレネのシモンに、
イエスの十字架を強いて背負わせます。
わたしも、自分の苦しみをイエス・キリストの受難に合わせて、人びとの救いに協力しなければなりません。
師イエス、わたしを小さな犠牲として受け入れてください。人びとを罪から救い、終わりのない幸福を待ち望む人びとを、あなたの国に迎え入れてください。

主よ、あわれんでください。わたしたちをあわれんでください。
ああ、聖母よ、十字架に釘づけられた御子の傷を、
わたしの心にしるしてください。

——
御子とともに苦しまれるキリストの御母を見て
悲しみを感じない者がいるだろうか。
Quis non posset contristari,
Christi matrem contemplari dolentem cum Filio ?


第六留 主キリスト、あなたを礼拝し、賛美します。
あなたは尊い十字架とご死去をもって、世をあがなってくださいました。

ヴェロニカは、心打たれて、イエスのみ顔を拭い、イエスは、その布にみ顔を写して彼女に報いてくださいます。
わたしは、この敬けんな女性に、主への侮辱を償う者の模範を認めます。主の尊厳を侮るわたしの罪とすべての人の罪を償わなければならないことを自覚しています。
主イエス、償いのわざを行うすべての人に、あなたの尊いみ心の徳をしるしてください。

主よ、あわれんでください。わたしたちをあわれんでください。
ああ、聖母よ、十字架に釘づけられた御子の傷を、
わたしの心にしるしてください。

——
御母は民の罪のために責められ、
鞭打たれる御子をごらんになる。
Pro peccatis suae gentis
vidit Iesum in tormentis et flagellis subditum.


第七留 主キリスト、あなたを礼拝し、賛美します。
あなたは尊い十字架とご死去をもって、世をあがなってくださいました。

「軽蔑され」、「人びとに見捨てられた」イエスは、力衰え、再び十字架の下にお倒れになります。
師イエス、あなたは、わたしたちが悪意によって、あるいは、自ら罪の危険を招くことによってしばしば犯す罪を、このようにして償ってくださいます。
主よ、あなたの主権に対する侮辱であり、御子の死の原因であるわたしの罪を憎み、再びこれを犯さないよう決心します。

主よ、あわれんでください。わたしたちをあわれんでください。
ああ、聖母よ、十字架に釘づけられた御子の傷を、
わたしの心にしるしてください。

——
御母は愛する御子が苦しみのうちに
息絶えるのをごらんになる。
Vidit suum dulcem Natum
moriendo desolatum, dum emisit spiritum.


第八留 主キリスト、あなたを礼拝し、賛美します。
あなたは尊い十字架とご死去をもって、世をあがなってくださいました。

群衆と、イエスの身の上を嘆き悲しむ多くの女性が、イエスのみ跡に従っています。イエスは、「エルサレムの娘たち、わたしのために泣くな。むしろ、自分と自分の子供たちのために泣け」と仰せになります。
わたしは、自分の罪と悪い模範、および義務の怠りによって他の人が犯した罪を悔やみ、深くへりくだります。
主イエス、わたしの行いと模範、言葉と祈りをもって、人びとの罪を力の限り防ぐ恵みを与えてください。

主よ、あわれんでください。わたしたちをあわれんでください。
ああ、聖母よ、十字架に釘づけられた御子の傷を、……

——
愛の泉である御母よ、わたしにも悲しみを感じさせ、
ともに泣かせてください。
Eia, mater, fons amoris,
me sentire vim doloris fac, ut tecum lugeam.


第九留 主キリスト、あなたを礼拝し、賛美します。
あなたは尊い十字架とご死去をもって、世をあがなってくださいました。

イエスは三度十字架の下にお倒れになります。わたしたちがかたくなさによって、罪を重ねるからです。
かたくなさは人の知恵をくらませ、心を閉ざし、罪を悔い改めずに死ぬ危険を招くものです。
主よ、自分を警戒し、意識の究明を忠実に行い、ふさわしい心構えをもってしばしばゆるしの秘跡を受ける恵みを、わたしに与えてください。

主よ、あわれんでください。わたしたちをあわれんでください。
ああ、聖母よ、十字架に釘づけられた御子の傷を、
わたしの心にしるしてください。

——
神であるキリストを愛する炎をわたしの心に燃え立たせ、
み心にふさわしいものとならせてください。
Fac ut ardeat cor meum
in amando Christum Deum, ut sibi complaceam.


第十留 主キリスト、あなたを礼拝し、賛美します。
あなたは尊い十字架とご死去をもって、世をあがなってくださいました。

ゴルゴタにたどり着かれたイエスは、兵士から衣服を剥がれ、胆汁と没薬の混ぜ物を飲むように強いられます。
わたしたちの虚栄と貪食の罪を、イエスはこのようにして償ってくださいます。
主よ、最高、永遠の幸福であるあなただけを求めるために、すべての野心と世俗的な満足から絶えず自分の心を引き離す恵みを与えてください。

主よ、あわれんでください。わたしたちをあわれんでください。
ああ、聖母よ、十字架に釘づけられた御子の傷を、
わたしの心にしるしてください。

——
ああ聖母よ、十字架に釘づけられた御子の傷を、
わたしの心にしるしてください。
Sancta mater, istud agas,
Crucifixi fige plagas cordi meo valide.


第十一留 主キリスト、あなたを礼拝し、賛美します。
あなたは尊い十字架とご死去をもって、世をあがなってくださいました。

イエスは、悲しみに打ちひしがれた聖母の目の前で、言い表しえない痛みのうちに、十字架に釘づけられます。
五感を慎み、情欲を十字架につける人は、イエス・キリストのものです。わたしは、今も臨終のときも、永遠に、イエス・キリストのものであることを望みます。
主イエス、わたしがあなたから離れることのないようにしてください。

主よ、あわれんでください。わたしたちをあわれんでください。
ああ、聖母よ、十字架に釘づけられた御子の傷を、
わたしの心にしるしてください。

——
わたしのために苦しまれる御子の痛みを、
わたしにも分かち与えてください。
Tui Nati vulnerati,
tam dignati pro me pati poenas mecum divide.


第十二留 主キリスト、あなたを礼拝し、賛美します。
あなたは尊い十字架とご死去をもって、世をあがなってくださいました。

イエスは三時間のこの上ない苦しみを忍ばれた後、わたしたちのために十字架の上で亡くなられます。 イエスの死は、聖体祭儀によって、毎日、祭壇上で再現されます。
愛するイエス、聖母が十字架のもとでもっておられた心構えで、わたしも聖体祭儀にあずかることができるようにしてください。

主よ、あわれんでください。わたしたちをあわれんでください。
ああ、聖母よ、十字架に釘づけられた御子の傷を、
わたしの心にしるしてください。

——
命ある限りあなたとともに泣き、
十字架のイエスを慰めさせてください。
Fac me tecum pie flere,
Crucifixo condolere, donec ego vixero.


第十三留 主キリスト、あなたを礼拝し、賛美します。
あなたは尊い十字架とご死去をもって、世をあがなってくださいました。

悲しみに沈む母マリアは、十字架より取り下ろされた御子を抱かれます。
マリアは、御子の傷を見つめながら、わたしたちの罪の恐ろしいしわざと、人間に対するイエスの無限の愛を思いめぐらしておられます。マリアへの信心は、救いの一つのしるしです。
マリアよ、わたしを子として受け入れ、日々わたしとともにいてください。特に死を迎えるときに、わたしを助けてください。

主よ、あわれんでください。わたしたちをあわれんでください。
ああ、聖母よ、十字架に釘づけられた御子の傷を、
わたしの心にしるしてください。

——
わたしは十字架のもとにあなたとともに立ち、
あなたと悲しみをともにすること望みます。
Iuxta crucem tecum stare
et me tibi sociare in planctu desidero.


第十四留 主キリスト、あなたを礼拝し、賛美します。
あなたは尊い十字架とご死去をもって、世をあがなってくださいました。

イエスのからだは香料を塗られ、墓に運ばれます。
かつて、イエスはご自分の受難を予告して、「今、わたしたちはエルサレムへ上って行く。人の子は裏切られ、死に引き渡される」と言われました。
主イエス、あなたは墓に葬られるまでにご自分をささげ、へりくだる者となられました。
主よ、あなたがご自分を犠牲としてささげ、いのちをお与えになる人間は、なんと尊いものでしょう。
救いのみわざに協力するようわたしが招かれるとき、どこにでも従うことを望みます。
主よ、あわれんでください。わたしたちをあわれんでください。
ああ、聖母よ、十字架に釘づけられた御子の傷を、
わたしの心にしるしてください。

——
主よ、この世を去るときに母マリアの執り成しによって、
勝利の冠を受けることができますように。
Christe, cum sit hinc exire,
da per matrem me venire ad palmam victoriae.


第十五留 主キリスト、あなたを礼拝し、賛美します。
あなたは尊い十字架とご死去をもって、世をあがなってくださいました。

マリアは、イエスが「三日目に復活する」と仰せられたように、生きた信仰をもって、御子の復活を待っておられます。
神よ、わたしはイエス・キリストの復活を信じ、からだの復活をも信じます。
終わりの日に、栄光のうちにわたしも復活することができるよう、日々、新しいいのちによみがえることを望みます。
救い主キリストよ、十字架の力によってわたしたちを救ってください。
ペトロを湖で救われた主よ、わたしたちをあわれんでください。

——
からだは死んでも、
魂には天の栄光をお与えください。アーメン。
Quando corpus morietur,
fac ut animae donetur, paradisi gloria. Amen.

祈願
神よ、あなたは、御子イエス・キリストの十字架の死によって、人類を救おうとお望みになりました。
地上においてあなたの愛の神秘を知ったわたしたちに、天においても贖いの実りを味わわせてください。
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。

教皇の意向に従って、「主の祈り」、「アヴェ・マリアの祈り」、「栄唱」を唱える。

『パウロ家族の祈り』より

RECOMMEND

RELATED

PAGE TOP