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みことばの響き

目を覚ます 待降節第1主日(ルカ21・25~28、34~36)

 今日からC年が始まり、「ルカによる福音書」が読まれていきます。教会では新しい年度の始まりです。新しい年度が始まる時、私たちは入学式、入社式などを想像します。そんな場面で校長・学長や社長が訓示を与える時、これから始まる学校での生活、社会人としての取り組み、挑戦などを語っていくものです。

 今日のみことばで、「身をかがめ、頭を上げなさい」(ルカ21・28)とか、「いつも目を覚ましなさい」(ルカ21・36)という言葉が印象的です。その背景には、主の来臨が近いことを人々が感じて不安に持っていること、同時にキリストが希望をもって歩むことへの訓示が感じられます。

 今、日本の状況はとても不安定です。数年前、国会で集団的自衛権が決定されましたが、民衆にとっては、何だかすっきりしない感じでした。首相から国民が納得できるような説明がなされたとも感じません。そもそもその年、首相がアメリカ合衆国を訪問し、議会での演説で、この法案の成立を事前に約束すること事態がおかしなことです。何となく、日本がアメリカ合衆国の下請けに感じたし、日本の議会がアメリカ議会の下にあるのかなあとも感じました。民衆の声に耳を傾けないのは、いつの時代でも弊害が生じるし、大きなツケが訪れるだろうなあと感じたのは、私だけでしょうか…。

 だんだん日本が戦争に巻き込まれていかないためにも、私たちもまたしっかりと目を覚ましていなければなりません。二千年前の出来事として片づけるのではなく、今の私たちにとって、また日本の社会にとって、どんなことで目を覚まし、判断していくかを教えられるような感じがします。

 「身をかがめ、頭を上げなさい」「いつも目を覚ましなさい」は、私たち一人ひとりへのメッセージとして、強く響いてきます。

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