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みことばの響き

貧しさ 年間第25主日(ルカ16・1~13)

 富や財産が人生を狂わせたりします。遺産相続でドカンとお金が入り、労働意欲を失ってやがて会社が倒産に陥ったこと。コツコツと働いていたが、ある日、1億円の宝くじが当たって人生が変わってしまったことなど。

 今日のことばで印象的なのは、「ごく小さな事に忠実な者は、大きな事にも忠実である」(ルカ16・10)、「あなたがたは、神と富とに仕えることはできない」(ルカ16・13)です。

 忠実な人といえば、聖パウロ修道会の最初の司祭・福者ティモテオ・ジャッカルド神父を思い起こします。彼は創立者ヤコブ・アルベリオーネ神父に対してとても忠実な人で、謙虚な人でした。「忠実な人の中でも最も忠実な人」と表現されるほどです。まさに自分の貧しさに忠実だった人です。また貧しさに生きた人をあげると、アシジの聖フランシスコを考えることができます。すべてを捨てて主に従った人でした。現代にあって、貧しさ(清貧)を幅広く考えたのはヤコブ・アルベリオーネ神父です。

 彼は5つの視点で清貧を捉えます。①放棄すること。②作り出すこと。③保存すること。④配慮すること。⑤建設すること。具体的に考えていくと、①生活の中で便利さや自分の好みを捨て、放棄すること。②すでに持っているものをうまく活用して、よい事業と個人に与えるために生産していくこと。③これまで蓄積してきた経験や自分が使用しているものを保存していく。④修道会の必要性のために配慮すること。⑤財産の欲望を矯正することで建設し、教化すること。

 放棄する貧しさだけではなく、ダイナミックな視野で清貧を捉えたアルベリオーネ神父の考えは興味深く、現代的でもあります。そんな彼の部屋はとても質素でした。神に忠実であるために、貧しさをベースに生きたことを感じます。

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