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みことばの響き

目に見えないもの 聖霊降臨(ヨハネ20・19~23)

 私たちの世界には、目には見えないけれど、生きていく上で大事なものが数多くあります。例えば光、風、空気など……。

 太陽の光が直接目に当るときつく感じますが、それなしには生きていくことができません。太陽の光があるからこそ、昼間迷わず歩くことができるし、太陽のぬくもりを感じることができます。

 風もまた大事なものです。暑い夏、木陰に座って風に当っているととても心地よいものです。海辺に座って潮風に当っていると、何か生活に潤いを与えてくれるようなものを感じるのは私だけではないでしょう。ギリシア人は風を「プネウマ」と表現しました。「プネウマ」には「風」以外にも、息、呼吸、霊、魂などの意味があります。目には見えないが、生きていく上で重要なものだと昔の人は考えたのでしょう。これらの中で「息」のことを考えてみると、私たちは四六時中活動したり、夜休んだりした時、息をしていることに気づくのは数少ないものです。創世記の中で「鼻にいのちの息を吹き込む」と人が生きる者になる箇所があります。ヨハネ19・30には、イエスが息を引き取られる場面が描かれています。直訳は「霊を送った」を意味し、生命と関わるものです。「息」は「生きる」に関連するでしょう。

 ただ日本において、「霊」というと、「幽霊」「悪霊」「霊媒」など、ちょっと怪しいイメージがあるのではないでしょうか。恵みよりも怖いイメージを持ちがちです。

 聖霊降臨にあたり、イエスは新たな命の息吹を弟子たちに吹きかけ、神の命へ招きます。(ヨハネ20・22)私たちが気づかなくても、数多くの形で恵みや力が与えられているのではないでしょうか。この機会に、目に見えない恵みを味わい、察知してみましょう。

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