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みことばの響き

世を愛する 四旬節第4主日(ヨハネ3・14~21)

 「神は、その独り子をお与えになったほどに、世を愛された」(ヨハネ3・16)とあります。父である神は惜しむことなく、私たちの救いのために最愛の子イエスを与えてくれました。憐れみ、慈しみが、目に見える形で示されています。

 キリシタン時代にルイス・アルメイダという人がいました。日本最初の外科医で病院の創始者です。

 彼は1525年、ポルトガルに生まれ、医師としての道を選びます。1546年に、国王から外科医開業の免許を受け、2年後には貿易商人となってインドへ向かい、中国や日本でも貿易をしながら財を蓄え、有名な商人となりました。

 1552年、フランシスコ・ザビエルと来日したコスメ・デ・トーレス神父に出会い、彼の話を聞きながら富と名声を捨てて日本での宣教の決意をします。平戸、大分を回り、カーゴ神父のもとで黙想。1556年、これまで蓄えてきた全財産を捨ててイエズス会に入会します。

 その翌年には、トーレス神父の命令で、ハンセン病棟や一般病棟を造り、運営については、ミゼリコルディアの組に委託しました。薬はマカオやゴアから取り寄せ、治療をしていく。平戸、大分をはじめ、長崎、島原、天草で宣教活動や治療に専念します。彼は武士などの上流階級だけでなく、貧しい人たちのためにも配慮し、場合によっては治療費を受け取らないこともありました。

 こうした献身的に働くアルメイダ修道士の姿を目にしながら、「外国から来られたこの修道士さんは、どうしてこんなに惜しみなく私たち日本人のために献身してくださるのだろう」と不思議がり、やがて彼の姿に感銘を覚えて、多くの人たちが洗礼へと導かれていきます。

 彼は1579年に司祭に叙階され、1583年に天草の河内浦で帰天。惜しみなく与える姿をよく示していきました。

 キリストの愛を感じ、惜しみない心で奉仕する者には、キリストの生きた姿が見えてきます。

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