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みことばの響き

最高のしるし 四旬節第3主日(ヨハネ2・13~25)

 今日のみことばで、ユダヤ人がイエスに「あなたは、こんなことをするからには、どんなしるしをわたしたちに見せるつもりか」と言います。「しるし」という言葉が使われていますが、「しるし」には、信号、標識、マーク、シンボル、サインなど、いろいろな内容を考えることができます。

 イエスはユダヤ人たちに語ります。「この神殿を壊してみよ。三日で建て直してみせる」と。彼らは神殿を建てるのに46年かかっていますが、彼らには「しるし」の意味がよく把握できませんでした。イエスにとって神殿の「しるし」とは、「御自分の体」のこと、死者の中から三日目に復活することでした。

 さてヨハネ福音書には他にもどんな「しるし」が見られるでしょうか。今日の箇所の前に出てくる「カナでの婚礼」(ヨハネ2章)、役人の息子を癒す話(4章)、ベトサダの池での病人を癒す話(5章)、5000人に食べ物を与える話(6章)、湖の上を歩く話(6章)、生まれつきの盲人を癒す話(9章)、ラザロのよみがえりの話(11章)です。「しるし」の主なものとして、7つ挙げることができますが、何と言っても最高のしるしは、キリストの「復活」です。

 ここで「神殿」という言葉が目に付きますが、ギリシア語には二つの用語があり、神殿全体を表す時には「ヒエロン」、聖所を表す時には「ナオス」が使われ、前半部分に出てくる「神殿の境内で」(3・14)のところでは神殿全体を表すような「ヒエロン」、「この神殿を壊してみよ」(3・19)のところでは聖所を表す「ナオス」が使われています。さらに「建て直す」という用語には、「よみがえる」「復活する」をも意味する「エゲイロ」が使われています。ここからイエスは古い聖所としての体を壊し、復活の視点で語っています。「しるし」ということばから、最高の「しるし」である復活の出来事を心に留めたいものです。

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