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信心のすすめ

ロザリオの祈り──信心のすすめ(35)

 「リバノンの杉のように、ヘルモン山頂の糸杉のように、私はここに聖寵した。エンガッディのしゅろのように、イエリコのばらのように、平原の美しいオリーブのように、プラタナスの木のように、私は大きくなった。肉桂、匂い高いバルサムのように私は香りを放ち、よりすぐれった乳香のようにかおった」(集会の書24,13-15)。

Ⅰ ロザリオの祈りには、何が含まれているでしょうか。ロザリオは、宗教の主要な神秘、すなわち、喜びの五つの神秘、苦しみの五つの神秘、栄えの五つの神秘からなりたっている祈りであります。ロザリオの祈りをとなえる人は、それらの思い出を親しいものにし、また霊的な偉大な実りを豊かなものとします。
 さらに、ロザリオには、イエス・キリストご自身がつくり、そして教えてくださった『主の祈り』があります。したがって、ロザリオの祈りは、主の祈りの作者のため、行なわれる嘆願のため、天父のみもとでの力と効果のために、もっとも貴重な祈りです。
 さらに、『天使祝詞』が十回ほどくりかえされます。その祈りは聖母マリアのお気に召す祈りです。その祈りは、天使と聖エリザベットと教会との美しい出会いであります。
他の射祷、たとえば『栄唱』『レクイエム』あるいはファティマの牧童たちに聖マリアがお教えになった呼祷などがつけ加えられます。これはたとえ、ロザリオのもっとも大切な部分をなさないまでも、非常に美しく、敬虔で、神によみされる祈りです。

Ⅱ ロザリオは、すべての人にとってやさしく、実り豊かなものです。
 ロザリオは、すべての人の祈りです。ロザリオの祈りは、教授も子供も労働者も農夫も小さな女の子も、教皇もとなえることのできるものです。各人は、自分の条件、状態、信心に合った考察をできるのです。偉大な博士といえども、だれもそこに含まれている英知と信心を汲みつくすことはできないでしょう。
 ロザリオはやさしい祈りです。ミサにあずかるためにも役立ちますし、晩課にかえることもできます。聖体拝領の準備のためにも、感謝のためにも、また臨終にある人につきそうためにも、死せる人々のつぐないのためにも、船員や服役中の人や旅人のためにも役立ちます。誘惑や疑いや心配のとき、青春時代や壮年期、老年期においても役立ちます。また潜心しているときにも散心するときにも、家庭にいるとき、ひとりでいるとき、教会にいるときにも役立ちます。
 ロザリオは実り豊かな祈りです。もっともすばらしい公的、私的恩恵は、ロザリオによって獲得されました。アルビ派の敗北と回心、レパントの戦いでイスラム教徒たちに対するキリスト教徒の勝利、フランス哲学と実証主義の敗北などはロザリオによって得られたものです。多くの改心、多くの召命、多くの修道会などはロザリオと結ばれていました。ロザリオの第三部は、むずかしいことをわからせ、霊魂に平和をとりもどし、家庭に希望となぐさめを再び与えるのです。
 ロザリオの祈りの実践は一つの霊魂にとって、救いの一つのしるしです。

Ⅲ ロザリオの祈りを唱える方法。簡単な方法があります。すなわち、神秘、主の祈り、天使祝詞をとなえるとき、少なくともことばに注意を払うことです。またもっと完全な方法があります。すなわち、一つの真理、一つの徳、一つの恩恵を考えながら、神秘を黙想することによって、各人がその方法により近づくように努力することはよいことです。たとえば、喜びの第一の秘義においては、託身の教義を思い出し、マリアの謙遜、神のみ旨に対していつも「はい」と言う恵みを思い出すことです。

・糾明───ロザリオの祈りを大切にしているでしょうか。その祈りをよく知り、唱える習慣を持っているでしょうか。
・決心───少なくとも一日、一連を毎日となえる習慣を身につけたいと思います。

『信心のすすめ-自己の聖化と人々の救いのために』アルベリオーネ神父(サンパウロ・1974年)
※現代的に一部不適切と思われる表現がありますが、当時のオリジナリティーを尊重し発行時のまま掲載しております。

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