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使徒職の場は実り豊か 阿部光一修道士

 2023年の1月16日、弟のBr.阿部眞理が帰天しました。それに伴い、4月11日に大阪修道院に異動しました。Br.眞理の使徒職を引き継ぐというのが、私の新たな使徒職に加えられました。

 福岡から大阪に移るということにはいろいろ難しい面もあります。福岡で行っていた使徒職をどうするかというのがいの一番です。いろいろ考えて福岡と大阪、両方を掛け持ちすることにしました。負担も大きいし、移動の費用もかかりますが、何とか頑張ってみることにしました。

 それにはそれぞれで働く従業員の協力がなければ成り立っていきません。幸い、彼らがこの件に関して何とか受け入れてくださっているとの自己認識です。勝手に思っているだけで、甘えているかもしれませんが……。まだ始まったばかりで、これから難しくなっていくのかもしれません。

 私の使徒職の場は福岡にしても大阪にしても人との関わり、教会との関わりが日常的に多い現場です。そのこと抜きには成り立っていきません。お店に来られるお客様との対応、電話での問い合わせ、注文など、出向いていく教会や学校などへの出店、出張……。

 拠点が2つになったことで、スマホのグーグルカレンダーをなお一層活用しています(これなしには私の能力だけではどうにもなりません。スマホ依存症にはならないようにしようと思いますが……)。「人とのかかわりを大切に」してきたつもりですが、大阪にきてそれがさらに大事なのだと再認識しました。

 Br.眞理が遺したことの中で一番のことではないかと思います。

 彼が背負った「がん」という重荷は、かえってこの「人とのかかわり」に「神とのかかわり」が重なり、大きな波となって多くの人に大きな恵みをもたらし、残しました。それをいま、私は出会う人々の中に感じています。使徒職を引き継ぐよりもこの関わりを引き継ぐことが大変だと感じています。また、それをいの一番に大切にしていかなければと思います。

「収穫は多いが働き手が少ない」(マタイ9·37)とのみ言葉があります。

 教会の現実を見ると収穫が本当に多いのだろうかと思います。でも、これは「神の収穫」、「神の恵み」ととらえましょう。収穫をする努力をしなければ実りは得られません。一人ひとり与えられた使徒職があります。皆それぞれの現場があります。一日一日の与えられた役目を果たしていきますが、すでに多くの実りがあるのだと思います。

 実りは目に見えないのかもしれませんが、人ひとりの働きがいつしか召命につながっていくことを信じて日々を生きてゆきたいものです。

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